藍と未来の一つ屋根の下
「未来」

「うん」

そのまましばらく沈黙が流れる。

「早く言えよ!」

今度は未来が吹き出した。

「藍さー、雰囲気とかないの!?」

「ねーよ今さら。何年一緒にいるんだよ」

「もう忘れた」

でも、藍の腕の中は暖かくて、藍の匂いは純の香水の匂いよりよっぽど好きだと未来は思った。

「藍」

「おう」

「すーき」

「俺も。好きだよ未来」

「やっと言った」

「ずっと守ってやるから」

「ずっとっていつまで?」

「ずっとだよ」

「一生?」

「一生」

未来も藍の背中に手を回す。
今世界で一番幸せなのは、自分だと未来は思っていた。

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