普通 ⑴
AM 10:30




とんとんとん 、と規則正しく響く僕の足音 。



とっとっとっ 、と後ろから違う足音がする 。




ゆっくりと振り返ると 、汗だくの彼がいる 。


額に汗を滲ませて 、呼吸を荒らげる彼 。

僕を抱き寄せる 。




「平気?」


その言葉と共に匂う彼の体臭 。


小さく頷く僕 。


2人で間抜けな笑みを浮かべた 。



息が詰まりそうだ 。




逃げるように僕は 、その場を後にした 。
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