転生令嬢は小食王子のお食事係
「炒めるのを頑張ってくれたのはエマですから!」
小さい器にレードルで少しだけ掬い入れると、それをエマに渡す。
「熱いので気をつけてくださいね」
私もほんの少しだけ味見することにする。自分の分を器に注ぐ。
エマは律儀にも私を待ってくれているので、一緒に味見する。
あの目を刺すような辛みはまったくなく、優しくさっぱりとした甘みが口いっぱいに広がる。
エマの反応が気になって、彼女を見つめる。
「……!?」
ひと口飲んだエマは目を大きく見開き、無言で固まっている。すぐに動き出すと、爛々とした目を向けてくる。
「すごいです! たまねぎじゃないみたい!」
エマの言わんとすることもわかる。生のたまねぎとはまったく味が違うのだ。
「飴色になるまで炒めなければならないのでとても大変ですが、作った甲斐がある味でしょう」
「はい! すごくおいしい!」