寂しがり屋の月兎
「ふふっ」

なんだかおかしかった。くすぐったい。

彼女が可愛らしくて。

「面白いこと言うのね」

「おも……?」

「うん。いいわ」

心から、温かく微笑んで、その笑みを望に向けた。

「あなた、友だちいないってさっき言った?」

「う……はい」

「じゃあ私がなってあげるわ」

「へっ?」

目をまんまるにするのが愛らしい。

「うん。それがいいわ。よろしく」

「え、えっ?」

友だちのなんたるかはまだよくわからないが、これから知っていけばいいだろう。

有明はなぜか、望と友だちになりたいと思ったのだった。

戸惑う望が有明に慣れて、敬語も取れるのは、この日からまだ先になる。
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