寂しがり屋の月兎
オウム返しに言うと、望は顔を赤くした。

「あっ、ごめんなさい!」

悪目立ちするから、という意味かと思って繰り返したが、どうもそういう反応ではない。

小首を傾げて望を見つめると、観念したように小さな声で、彼女は言う。

「……有明さん、綺麗だから……」

「…………」

反応に困った。

可愛いねー、などと男に言われることはままある。

だが、女子から面と向かって、「綺麗」とは。

彼女は照れて、頬を両手で押さえている。

「……ふっ」

思わず有明は笑みをもらしていた。
< 223 / 230 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop