寂しがり屋の月兎
ぽかん、と望は疑問符を飛ばした。

このイケメンは、今なんて言った?

「デートしよー」

駄々をこねるように、甘えた声でもう一度兎田は言う。

望は思わず三日月と顔を見合わせた。

そして同時に首を捻る。

「幻聴……?」

「疲れてるのかもなあ」

なかったことにしたかったが、兎田がそれを許さなかった。

「幻聴じゃないよ。ついでに冗談でもない。デートしよ、望ちゃん」

「……デートとは……?」

「恋人や、意中の相手と出かけること」

なぜか三日月との呼吸が合い始める望であった。
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