寂しがり屋の月兎
しかし望も、小首を傾げざるを得ない。

なぜ、と問われれば、

「兎田くんに友だちになろうって言われたので……?」

としか答えられない。

秘密のノートのことは言えないし、兎田がそんなことを言い出した理由は望は知らない。

三日月は常識なしとでも言いたげな視線を兎田に向けた。

それを意にも介さず兎田は、思いついたように言った。

「そうだ。望ちゃん」

「はい?」

「デートしよ」

「……は?」
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