できすぎる上司♂と不器用すぎる部下♀
「俺はまだ…」
司が言葉につまる。

「司さん。」
司の言葉の続きを遮るように桃は司に微笑みながら話しかける。

「今までありがとうございました。大好きでした。独立しても頑張ってくださいね。無理はしないでくださいね。」
桃は必死に涙をこらえる。視界がすこしぼやける。

だめ。ここで泣いたらダメ。

「じゃあ私、お湯沸かしてきます。」
桃が司に背を向けると

「桃。ありがとう。」
と司は告げる。
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