拝啓 元カレ上司サマ

麗香は、2日間仕事を休んでしまった。

営業所の女性課長から聞いた煌太の結婚話は、麗香の心を痛めつけた。

胸が引き裂かれそうな程の痛みで、泣いては寝てを繰り返すばかり。

自分はやはり煌太が好きで、諦めの悪い馬鹿な女だと、涙が溢れて仕方がない。

今の営業所には相談する相手も居らず、苦しくて苦しくて、誰かにすがりつきたいと、藁をもすがる思いで、勤務中であろう、本社の同期で親友の沙穂に電話してしまった。

もちろん、受付業務に入っていれば、電話に出ることは不可能だが、運良く、本日はお茶だし担当である。

呼び出し音は鳴らないが、バイブで気付いた沙穂が、こんな時間の麗香からの電話に、ただ事ではないと、控え室に戻って電話に出たのだった。






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