拝啓 元カレ上司サマ
「麗香?麗香ったら、どうしたの?何かあったの?」
なかなか話し出さない麗香を心配して、何度も尋ねた。
「…沙穂、ゴメンね。仕事中に…。もう堪えられない。煌太が、煌太が…」
そう言うと、すすり泣く麗香。
やはり課長の結婚のことだったかと、沙穂はもうどうしようもないのだと、麗香を慰める。
そして、明日は土曜日だから、麗香の家に行くから、変な考えを持たないようにと釘を刺して、麗香の実家の電話番号を無理矢理聞き出して、直ぐに眠るように促した。
電話を切った沙穂は涙ぐんで、親友の哀しみをともに感じていたのだった。