拝啓 元カレ上司サマ

麗香は何だか清々しい気持ちになった。

そしてそれを聞いていた宗也は、それで良いと、彼女の手を握った。

愛し合う二人は手に手を取って、会議室を出て行く。

煌太はと言うと、打ちのめされたような、宗也に完全敗北した気分だった…ああ、この男は、麗香を一生離してはくれないと。

敗けだ敗けだ!もうどうにでもなれと、いっそ清々しい程の高笑いをして、もし誰かが見ていたならば、彼の哀しみの叫びが聞こえたかも知れないけれど…。

しかしそれ以降の煌太は、今度こそ、麗香との思い出を何もかもスッキリスッパリ切り捨てて、優希と共に生きていこうと決意したのだった。









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