拝啓 元カレ上司サマ
探偵は昼前に煌太から優希が出掛けたと連絡をもらって、マンション前で待機していた。
煌太から預かっている写真に写る優希の顔はもちろん記憶しているから、今、目の前を通り過ぎて行く彼女と頭の中で照らし合わせて、いよいよ尾行を開始する。
駅に到着して、気付かれないように彼女の少し後方で改札を通った。
どうやら上り方面に向かうようだ。
車中では適度に見渡せる場所に陣取って、さりげなく優希を観察することになる。