拝啓 元カレ上司サマ
男の子達がダッシュで皆のところに向かっている時、麗香は荷物を肩に掛けたところであった。
そして、長女を抱っこして、やっと車の扉を閉めた。
「危ないぞー」
その時、何処からともなく、懐かしい声が聞こえた気がした。
最近疲れ気味だし幻聴かしらと、ヨイショッと薫子と荷物を抱え直して、麗香はワイワイガヤガヤ楽しそうな場所へと移動する。
そこへ近付いて行くと、オーナー夫人である叔母が出迎えてくれた。
「麗香ちゃん、薫子ちゃん抱っこするわ」
叔母は、薫子を奪って、そそくさと皆のところへと行ってしまった。