拝啓 元カレ上司サマ

そして、あたふたし始めた麗香を気にすることもなく、煌太は話し始めた。

「俺、ここの営業所に転勤になって、このマンションに住んでるんだ」

あ、でも、ここに住んだのも偶然だからなと付け加えて言うと、昔よく感じていた優しげな眼差しで、麗香を見つめる。

(営業所に?役員がこちらに転勤になったから、秘書として付いて来たの?)

煌太は元々秘書であったから、まさか、営業の仕事に就いているとは考えていない麗香は、思わず、どうして営業所?と聞いてしまう。

しめしめ、麗香が反応した、やったぜ!とばかりの満面の笑みで、営業所に転勤になるのはこれが2回目で、ここでは所長であることを告げた。

「営業所の所長?部長職の?本当?」













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