拝啓 元カレ上司サマ

そうだ、奥様はどちらに?と尋ねる麗香に、何だかこれまでの人生を悔やむように、煌太が吐き捨てるように言った。

「彼女とは別れたんだ」

えっ?っと、予想通りの驚きの表情を見せる麗香。

「もう随分前のことだよ」

と、気持ちを残したまま別れることになったのだろうか、苦し気に顔を歪めて、麗香に向き直った。

「記憶が戻ったんだ、結婚式の直前に…」






< 414 / 496 >

この作品をシェア

pagetop