拝啓 元カレ上司サマ

記憶が戻ったと聞いたけれど、少しも幸せそうな表情ではないことに、麗香の心は軋んで、悲しそうな顔をした。

それは、まるで麗香との過去が、思い出したくもなかった事柄だとでも言っているようで…。

しかし、煌太が顔を歪ませたのは、元妻に愛情を返してやれなかったと、ただ後悔しているだけであって、麗香とのことがどうのと言う訳ではないのだけれど。

煌太は、麗香がきっと勘違いをしているに違いないと、一応訂正してみる。

「麗香…」





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