拝啓 元カレ上司サマ

あのねと語り始めた麗香の顔を覗き込んで、煌太は何も言わずに聞いてみようと決めていた。

麗香は宗也との出会いから子供達が生まれた時のこと、二人で子育てしてきたことや、宗也の病気が発覚してからの苦悩や葛藤を、何かに操られるように、すらすらと話す。

そして全て伝え終わった時には、その麗香の悲しみが何だか少しだけ、軽くなったような感覚になった。

「聞いてくれてありがとう」

麗香は煌太の両手を取って、泣き笑いではあるけれど、表情を柔らかくして煌太に微笑んだ。




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