拝啓 元カレ上司サマ
目が覚めた麗香は、自分が涙を流していることに気が付いた。
それが夢だと分かっていても、宗也と離れるのは辛いことだ。
暫くボーッとしていた麗香に、煌太が心配そうに声を掛ける。
「どうした?怖い夢でも見たのか?」
そう言って、麗香の涙を拭うと、そっと静かに抱き締めた。
まるで泣いている子供をあやすように、彼女の背中をトントンと叩く。
漸く落ち着きを取り戻した麗香は、何故だか、煌太に宗也との思い出を聞いてもらいたい気持ちでいっぱいになった。