拝啓 元カレ上司サマ

麗香の話を大人しく聞いていた煌太は、彼女に握られた両手を見ていた。

この時の煌太の心の中には、色んな感情が押し寄せていた。

亡くなった宗也とのことを打ち明けてくれたのは、煌太を頼ってくれているようで嬉しい気持ちもある。

しかしその一方で、麗香夫婦の過去を、この寝室のベッドに腰掛けた状態で聞かされる男心は複雑で、煌太の心情を察するには余りある。





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