拝啓 元カレ上司サマ

今日も今日とて寝不足でふらふらの麗香だが、何とか笑顔で受付業務に勤しんでいた。

日に数回、大嫌いな上司と顔を合わせるのを我慢すれば、こんな良い職場はない。

来客からは時々、お茶や食事、合コンなどに誘われたりする。

配属後直ぐに先輩受付嬢が、

「運命の男性に巡り会うこともあるのよ」

と恥ずかしそうにいっていたことを思い出した。

そう言えば、麗香が当時付き合っていた煌太に、それを冗談半分に伝えたところ、物凄く落ち込んで、麗香を信じてるからと、真面目に言ってきたことがあった。

「あの頃は、幸せだったな」

色々と煌太との楽しかった思い出が、走馬灯のように思い浮かぶ。







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