拝啓 元カレ上司サマ

麗香は沙穂に誘われて、個室のある、少しゴージャスな居酒屋に来ていた。

せっかくの花金だから、何時までも付き合うよという、沙穂の心遣いが本当に嬉しい。

きっと、麗香の泣きたい程の気持ちに気が付いているのだろう。

今日の会社、特に総務部では、煌太の噂で持ちきりだった。

その噂というのは、煌太が、秘書の葛西優希と付き合うことになったようで、煌太本人が部長に、いずれは結婚も視野にいれている、と報告したらしい。

これを耳にした麗香と沙穂は、来る時が来てしまったと、暗い表情でやっとのことで、業務を終えたのだ。

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