今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
「旗中。ほんとによかったの、これで」
しばらく経って、国吉くんが遠慮がちに口を開いた。
「うん。……ありがとう。ごめんね、いきなりこんなことに巻きこんで」
「いや。全然」
「国吉くんも、もっと楽しみたかったよね」
「いいんだよ。旗中のためなら俺はなんだってする」
「え……?」
街の境界は、もう、すぐそこまで来ていた。
「その……、隣の席のよしみとして、な」
照れくさそうに付け足された言葉に、私はやっと微笑み返すことができた。
「今日、国吉くんがいてくれてよかったな」
あのまま誰にも言えず、ひとりで苦しい思いをすることになったのかと思うと耐えられない。
「旗中は、あいつのことが好きなの?」
「……たぶん」