今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -

「──旗中」


ふいに名前を呼ばれたかと思えば、国吉くんが私の肩に手を乗せてきた。


「旗中も濡れてんでしょ。それ脱いで、俺の上着羽織りなよ。これ水弾くやつだから、中は無事」


私が返事をする前に上着を差し出すと、そのまま響平に視線を移した。



「着替えられるような場所、貸してほしいんだけど」


国吉くんと響平が向かい合って、しばらく時間が止まったような錯覚に陥った。
だって、響平が黙ったまま動かないから。


ふたりの目線はあまり変わらず、国吉くんも意外と身長が高かったことに気づく。


「……着替えられる場所ね。りょーかい」



今の沈黙はいったい何だったのか、響平は抑揚のない声でそう言って、それから少し笑った。



「鍵付きで音も響かない、すげーいい部屋あんだけど。そこに案内してやろうか、おふたりさん?」


どことなく冷たさをはらんだ響き。


「いや、私は着替えられればそれで……」

「クニヨシくんの服に?」

「え……?」


手首をつかまれた。


「お前、一旦こっち来いよ」

「っあ……」
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