秘密にしないスキャンダル
「私としては、きちんと確認もとらずにスキャンダルだと写真をネットにあげて騒ぎ始めた人こそが軽々しい行動だと思いますが」

「なっ……」

「だってそうでしょう？
マスコミの方々はまず確実な証拠をとってから情報を発信するはずなのに、これではまるで……素人がやっかみでスキャンダルを巻き起こそうとしたようです」

確かにそうですね……。親子だとか血縁関係があるというのもすぐに調べがつきそうですし……。とコメンテーター達は顔を見合わせて話している。
じっと勇菜が美佐を見ていると、美佐は無言で歯を食い縛っていた。

「……それでもきっと世間は納得しないわ。
一度植え付けられたイメージは簡単に回復しないもの……こういう恋愛に関することは特にね」

「私もそう思います。
だから新しいイメージをもってもらおうかと思ってるんです」

チラッと機材に隠れてもらっていた隆矢に視線を向けると隆矢は二度ほど瞬きをしてから勇菜が行動する前に言った、呼んだら来てね。の言葉を思い出したのかスッと立ち上がりこちらに向かって歩きだした。

「え！？隆矢君！？」

突然現れたように見えた隆矢に驚いた美佐は一歩後退り口を両手で覆い隠していたが、そんな美佐を気にすることなく隆矢は勇菜の隣に立つとそっと手を握った。
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