Love Eater
百夜相手にいくら粘って駆け引きしようと無意味。
蓮華もまたそんな事はすでに分かりきっているからこそ深追いなんてせず、あっさりと百夜への興味は手放すのだ。
「ま、リッカびいきな百夜サマには悪いけど、俺は俺で自分の欲に素直に動かさせていただきますよ」
「フッ、お好きなように。何がどう事が展開しようと僕には関係の無い事だ」
「俺があの魔女子ちゃんに手出して、リッカが今以上に絶望することになっても?」
「盗られたリっ君が悪いって笑い飛ばすくらいだと思うけどね」
「本当にわかんねえ人だな」
「そりゃあそうだろうね。なんたって僕も僕がよく分からない」
「なんじゃそりゃ」
「なんだろうね」
結局は百夜節。
蓮華であっても結局はこんな風化かし合いのような会話で混乱させられ、無垢にも感じる笑顔で誤魔化される。
何の話からの流れであったかすら忘れかけてしまう程で。
まさに蓮華が何の話だったかと記憶を回想するように視線を泳がせたタイミング。
「まあ、あの魔女子ちゃんの所在が分からなけりゃ盗るも盗らないもないだろうけど?」
煙に巻いた張本人がこうして話の軌道を戻してくるのだから。
やはり読めない。
一体何をどうしたいのかと、この蓮華すら呆れさすのだから流石と言っていいだろう。