Love Eater


流石に蓮華とて百夜にこれ以上無駄に挑む気力もない。

元々飽きっぽい性質であるのだ。

今ももう飽きたと両手で示すのだが、投げられた問いかけにはツラリと笑って一言。

「探して見つからないなら呼びだせばいいって話でしょ」

「呼び出す?リっ君にも出来ない事を君は出来るって事かな?」

「これでも、女の子を誘うのは得意な方でね。少なくとも乙女の複雑な恋心の扱い方はリッカより心得てるって言いきれるかな」

降参を示す様に両手を上げておいても、結局は明確でない含み言葉で答えを濁す。

それどころかお返しだとばかり。

ニヤリと笑った口元からはピアスの光る赤い舌先をちょろりと覗かせて百夜を悪戯に嘲てくるのだ。

そんな蓮華に百夜も薄い唇に弧を浮かべて目を細めるばかり。

この二人の会話はいつだって明確な勝敗はなく、最後の最後まで含みたっぷりな駆け引きで終わるのだ。



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