Love Eater
それでなくとも根に持っている蓮華の所業であるのだ。
散々言葉巧みに六花との関係を迷走させて、その隙に己が欲求の為に自分を狙撃しそれを餌に六花をおびき寄せて事に及ぼうとしたのだ。
幸い、撃たれた個所は後遺症など無縁の肉を貫いた程度。
いや、それを程度と括るのも如何なものかと思うのだが。
本来、通常の人間であるなら痛む傷痕にまだまだ唸っていても可笑しくないというのに。
これも魔混じりの血の為せる業であるのか、普通の人間より体の回復力が早く、苦痛に対しても耐久力が強い。
それこそ撃たれて早々に自由に動き回れたり、……欲情出来るほどには。
それが一週間も経てば傷を負っていた事すらうっかり忘れるくらいであるのだ。
まあ、流石の魔混じりでも心に負った傷にはどうやら耐久力が無いらしいが。
「腑に落ちねえ!こいつなんて俺以上にゲスイ事したっていうのに!体の自由奪った挙句触りまくったんだぞっ!?あの柔肌を!!」
「うわぁ、来た来た。その矛先もしつこぉい。根に持つなぁ、鬱陶しいくらいに」
「持つわっ!!人の腹に風穴あけた挙句六花に手だそうとかっ!」
「いいじゃんか。どうせ治癒力高い俺達だよ?あんなんリッカからしたら掠り傷程度の事じゃんか。それに、同じ女の子に食らいつくのだって初めてじゃないじゃない?」
「よぉぉっく言った。じゃあ俺が今すぐお前に鉛玉撃ち込んでも掠り傷程度だし許してくれるんだよな?」
「いや、流石に頭撃ち抜かれちゃ俺だって死ぬよ?」
思いっきり頭に銃口着いてるじゃん。と指摘はしてみても畏怖なんて見せる筈もなく。
それどころかお得意の嘲笑すらない蓮華は欠伸まで零して飽きを示してくるのだ。