Love Eater



そりゃあそうだ。

百夜にとっても連日のソルトのお悩み相談であるなら、ここに入り浸っている蓮華もまた然り。

その都度お約束の様にソルトの不満の矛先が自分にも向いてと、分かり切った流れであるのだからして欠伸の一つでも零したくなるというもの。

それでも、そんな蓮華の反応が未だ絶賛苦悩中であるソルトの不満を煽っての悪循環。

ソルトからすればだ、他の女であるならいざ知らずよりによって六花に手を出されたのが一番の不満で許すまじ事であるのだ。

「他の女と一緒にすんな!あれは俺のだ!俺の六花だ!」

「はぁぁぁ、いるよねぇ~。好きって言った言われたで恋人面する痛い奴」

「はぁっ!?」

「お互いに好きって言い合った程度で自分の物だって言い張って何をしてもいだろってのは典型的な勘違い野郎だって事だよソルトきゅん?」

「……はっ?えっ?………えっ?だって普通…」

「普通はそれで利害の一致?それはリッカの普通の恋愛観での事で、六花ちゃんの中ではソルトきゅんとの恋愛関係は成立してないだろうねえ」

「…………………はっ!?」

「それどころか、成立する前に生々しい情欲に怯ませちゃってまあ。どうせ怯えさすんだったら最後までヤリきって啼かせてくりゃあいいものをさ」

「っ……えっ?待て待て待て!……えっ?あれ?………俺とあいつって恋愛関係成立してねえ……の?」

「いやさ、寧ろここまで蔑ろにされてて何で成立してると思ってたの?」

「て、照れの極致の焦らしプレイ……かなぁ……とか…」

「……現実逃避もそこまで行くと愉快だぁね。こんなんだったら俺があの時六花ちゃんの処女食っておけばよかったぁ」

「っ………死にたい」

「いや、もういっそガチに死んどけよ。ぼちぼちウゼェわ」

ニッコリ、ズドンというところか。

流石に付き合いきれるかとばかりのセリフも堪えるが、そこに付属する笑顔と下向きの親指にはソルトの心も崩壊寸前。




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