Love Eater



そんな百夜と蓮華の呆れなど知る由もなければ気に掛けるでもない。

ただ意気揚々、急く気持ちのままソルトの足は通報通りの場所に辿りついていた。

足を止めることなく走ってきたはずであるのに息苦しささえ高揚した感覚に麻痺してしまう。

かと言って、その半面では自分の期待とは違う別案件の事件かもしれないとも牽制はしているのだ。

期待しすぎるなと。

それを別にしても、浮れた感覚で向かって異なる案件で油断して死んだなんて事になったら笑えない。

何にせよ、コレは仕事だリッカ。

相手が六花であっても今は神父として魔女を制止に来たわけだ。

何があっても不思議じゃない。

気を抜かず何事にも緊張と冷静をもって。

そんな自分への言い聞かせと一息と。

とにかく余分な熱は一旦しまいだと、意識を引き締め直すと懐から馴染みの銃を取り出し廃ビルの階段を上り始める。

通報があったのはやっぱり裏路地にある古い廃ビルの一つ。

六花が事を起こすのは大抵治安の悪い場所での事件に対して、被害者を救済するという目的ある法律違反であるのだ。

ただ、今回ばかりは少々今までと異なった通報で。

特別な事件性の関与もなければ、なんなら花火の様なモノを数発手から打ち出して見せたなんて言う意味のない物。

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