Love Eater



それを示す様に、

拒絶を取り消す様に。

ゆっくりと密度が増す体に顔の距離。

脳天に直に響くような六花の声音。

「驚いたんだ。………ソルトからのキス。だって……あんなに息苦しくて目が回るようなものだと思ってなかった…から」

「あっ……悪かっ…」

「悪くないよっ!…っ…そういう事が……言いたいんじゃなくて。熱くて…本気で溶けちゃうって驚いて恐くて逃げちゃったけどそうじゃなくて………」

「……六花?」

「っ………変なんだ僕」

「変?」

「あんなに怯んでた癖に……絶対に無理だって思ってた癖に。思い出す度に悶絶して苦しんでた癖に……どうしてなのかな…」

「………」

「ソルトに……もっかい、同じ事されたいって……思っちゃって」

「っ……」

「もっともっと……泣きたい程苦しくて熱くて頭がおかしくなりそうな……そんな……」

「ちょっ……六花、」

「ソルトにだったら、」

「っ……」

「………溶かされてもいいよ?……僕」

微睡みきった双眸に赤ら顔。

期待と羞恥と畏怖が少々で出来上がった純朴な誘惑の効果は恐ろしい程パンチがデカかったらしい。


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