Love Eater


「まさに、誘惑の香りってヤツだよねえ。僕だってこの甘い匂いにはついつい当てられて疼く心を否めないし」

「だとしても、俺のこの状態は異常すぎるだろ。確かに魔女はどいつも良い匂いするけどなっ、理性が飛ぶ様な事は無かったぞ俺っ。お前から処方された俺用の安定剤も効かねえし、」

「そこはほら、同じ食べ物でも好みの味や食感があるのと一緒だろうさ。同じショートケーキでもこっちのは甘すぎる、こっちのはスポンジが…なんて、細かい好みが出てくるじゃない。リッくんにとってはその魔女子ちゃんが本能からのどストライクだったんだろうねえ」

「その理屈でいくならどうして今までは何とも無かったんだよ?好みにしたって、今まではあいつと接してても平気だったのに…」

「まあ…その疑問点が今回のこの事態の原因と言えるんだけどねえ」

「何だよその含み。…分かったのかよ?」

ポリポリと頬を掻きながら弾かれる言葉は何かを掴んだ含みを匂わせていて。

ようやく改善の光が見えたのかと期待に満ちて結論を待つソルトがいたのに。


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