Love Eater



「結論。……これ、僕の薬でどうこうなる話じゃないや」

「…………………はぁっ!!?」

「あっはは〜、残念!」

「いやいやいや、残念じゃねえよ!?あっはは〜じゃねえだろ!?……はっ?……ガチにか!?」

お得意のタチの悪い冗談じゃなくてか!?

あまりにあっさり投げられた匙には、驚愕で興奮も忘れた程。

それでも、直ぐに身体を蝕み直す熱と欲には再び撃沈し息を乱す事になったのだ。

出来る事と言ったらまったく気を使うでもなく、なんなら他人事だとマイペースに煙管を蒸す男を睨むくらいか。

まあ、睨まれたくらいで動じて畏怖する様な百夜でもなく、感じる視線を一瞥しツラリと笑いながら小さく肩を竦める程度。

「いくら睨んでも無駄で無意味ってもんだよぉ?それに苛立つ程益々自分の首が絞まってるだけでしょ?」

「っ…散々からかって引っ張って焦らした挙句の結論がコレかよ?」

「いやね、だってコレは本当に薬でどうにかなるもんじゃないのよ?魔女の発する色香負けって単純な話なら僕だって手の施しようがあるけどもさ」

「違うのかよ?」

「違うねぇ。コレは色香なんて可愛いものじなない。もっと粘質で執着的で独占的で狂気もチラリかな。その反面実にストレートでいじらしいとも感じてくる」

「てめえの言い回しはいつも独創的すぎて分かりにく…」

「呪いだよ」

「っ…!?」

「恋する女の子のマーキング行為とも言えるけど」

「は…はいっ?」

どこまでも人を焦らす様な口調にソルトが苛立ったのは一瞬。

次の瞬間には望んだままの単純な結論が落とされたわけだが衝撃の二文字には困惑で呆けてしまう。

補足された説明には更にだ。


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