Love Eater
実際…苦しい。
熱い。
とにかくイかせろ!!
そんな欲求不満の苦悶と苦行が拷問の様に数日も続けば当然だ。
今も、この怨みはらさでおくべきか!なんてワナワナと熱り立って興奮を増してしまっていたが。
「まあ、彼女からしたらちょっと悶々とする程度の些細な悪戯に過ぎないんじゃない?だって…知らないんでしょ?リッくんや僕達の悩ましい事情なんて」
「っ……」
そんな冷静な百夜の突っ込みは見事ソルトの無駄な興奮を鎮静させる事に成功したのだ。
「知らないんでしょ?興奮するとこんな風に犬歯が伸びてしまうなんて事も、リッくんの鼻が異様に効き過ぎてしまう深い理由なんかも」
「……」
「知ってるの?」
「…知らねえよ」
「じゃあ、仕方のない偶然の呪いの重複じゃない。リっ君には災難だったとしか言いようがない」
「そうりゃあそうだけど…」
「まあ、知っていた上での呪いなら実に性質が悪いものだけどね。それに実に由々しき問題だ。僕らの存在は機密事項。誰が漏らした?やら、これ以上の漏泄を防ぐ為に政府も躍起になる大問題。……まあ、秘密なんて物は遅かれ早かれ漏れるものであるんだけどもさ」
「だから、あいつは知らねえって。俺の秘密どころか…本名すら教えてねえっての」
どこか釜をかけ探る様な含み言葉と笑みと。
でも、この事に対しては躊躇いもなく『ない』と断言出来るソルトであるのだ。