Love Eater
しかしながらどうして…。
『冷静とは言えない今の君に外出はお勧めしないなぁ』
そんな百夜の忠告は早々にソルトの身に染みる言葉となったのだ。
とにかく、六花本人に会うしか術がない。と、自分のマンションを後に夜の街に繰り出したまではいい。
でも現実問題、六花の居場所などなんのあてもない。
住んでる場所なんて場所も知らなければ連絡方法すらない。
今更ながらに今までの逢瀬はどこまでも六花が仕掛けた呼び出しによって成り立っていたのだ。
六花が害とはいえない悪戯を仕掛けることで、自然と人々はソルトへの伝言板になってくれる。
魔女がいた。となればそれが生業のソルトは魔女を目撃した場所へと出向かなければならない。
そこに出向けば逃げることもせず、寧ろ待ち焦がれた様な六花に出迎えられる。
それが決まった逢瀬とやらの流れだろうか。
だからこんな風にソルトから六花を求める様な事態は初めてで、小生意気で子憎たらしい魔女だという印象以外持ち合わせた六花の情報がまるでない。
つまりはほぼ感情のまま、思いつくままの、効率も悪ければ見つかる可能性など0に近い無謀な探索劇。