Love Eater



とにかくだ……。

とりあえず……動きにくいからこの服脱ごう、うん。

狼に人間の服が合うはずもなく。

まとわりつくそれらをなんとか脱ぎ捨てるとその辺の物影に隠す様に置いておく。

後で人に戻れたら取りに来ればいい。

とにかく今は六花か百夜のところへ……いや、六花だ。

何をするにしてもこの興奮状態を収めなくては話にならないだろうという現状打ち出した最善策。

結局当初の予定に戻った話なのだが、先程とは違って今度は探し出すあてがある。

今まではセーブをかけていた自分の力。

でも、なるところまでなってしまったのだ。

だったら今使わねえでいつ使う!?

今でしょっ!!

とばかり、開き直ったぐらいに思いっきり嗅覚を働かせ六花の匂いを探ろうとした刹那だ。

「おすわりっ、」

「キャウンッ!!!!」

不意にソルトの上に降ってきたのは声だけではなく。

その響きを聞き入れると同時に、ドスンと背中に強い衝撃を覚えたソルトの身体は地面にべたりと潰されたのだ。

突然の展開に何事だと困惑するより早く、嗅覚に感じる馴染みのある実に甘く美味しそうな匂い。

いや、それよりも早く聴覚に聞き取った声音で本能的にそれが誰かは理解してしまった。

だけども、受けた物理的な衝撃と今も尚ソルトに跨り伸し掛かる重みが立て直す事を阻んでいて。

そんな間に華奢な指先がスルリとソルトの首周りを撫でたのだ。


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