Love Eater



そんなソルトとは違いどこまでも六花の反応は蓮華の興奮を煽っているらしく。

言葉を交わす程、六花が拒絶を鮮明にする程蓮華の双眸に妖しい恍惚がチラつくのだ。

そしてお得意の性質の悪さも。

六花の敵意すら通り越した冷たい対応に、参ったような苦笑いで両手を上げるも形ばかりのそれなのは言わずもがな。

「まあ、そんなに冷たくしないでよ。今日は挨拶に顔出しただけなんだから。これから鬼ごっこする新しい鬼役としてね」

「……はっ?」

「あれぇ?聞いてない?ソルト君から。今後君の執行役は主に俺がメインになるって」

流石に、この事実には衝撃全面に六花の表情は歪んでみせて、そんな反応に蓮華は憐れみの笑みで肩を竦めて更なる激情を煽るのだ。

その矛先がソルトへと移行するようにチラリと視線を走らせながら。

それでも、六花の視線がソルトに集中する事はなく、その視線はどこを捉えるでもなく俯いた状態で沈黙する。

ソルトの双眸に映るのはそんな六花の後ろ姿で。

音も発さず、身動きすらしない姿にはドクンと嫌な音が胸の奥で響き始める。

六花の普段の性格からも激情し詰め寄られるものだと思っていた。

「何で!?」「どうして!?」「ソルトのバーカ!」そんな子供の様な憤りの攻め方であった方がマシであった。

ただでさえさっきから様子の違う六花の反応にどう対応していいのか分からずにいるのだ。


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