Love Eater
ソルトが把握している六花は無表情はあっても無興味なんて物とは程遠い。
寧ろ鬱陶しいくらいに絡んで巻き込んで終いには笑っておちょくって。
ここまで無興味で無感情で拒絶的な六花の姿など免疫が無さすぎて面食らってしまう。
えっ?なになに?
本当に何?
さっきまでいつも通りだったよな?
確かに狙撃した奴だし、それでなくても蓮華の野郎だし、別にオープンに受け入れてほしいわけじゃねえけど……何っ!?
と、フリーズしたソルトの内は大混乱なのだ。
とはいえ、そんな混乱などお構いなし、
「さっきまでソルト君にはニコニコきゃっきゃっしてた癖にこの変貌。良いね、俄然口説き落として啼かせたくなる」
「……」
「つれなくされると追いかけたくなるのが男の悲しい性なのよ?魔女子ちゃん」
「……ねえ、」
「ん~?何々?」
「ウザい。去ね」
「ちょっ…六花ぁ?」
「クックックッ、六花ちゃんっていうの?マジおっ勃つわぁ」
普通であるなら自分以外へのつれなさなんて言うのは優越感覚える喜ばしい瞬間だろう。
でも六花のそれは喜ばしいを通り越して畏怖すら覚える冷たさであるのだ。
当然為される会話にダメージを受けるのはソルトばかりで、『去ね』なんて突き立てた親指でビルから飛び降りる事を暗に強要した六花の姿には思わず突っ込んでしまったくらいに。