稲荷と神の縁結び
これでいいかと言われても…私はそれを吟味するほどのスキルはないので、黙って首を縦に振るのみだ。

「あなた、今は本部勤務なんでしょう?
制服ではないのだから、たっぷりとお洒落をしなさい、お洒落を」

「母さん……一応うちは店舗スタッフと同等の身だしなみという規則が……」

「それにしても年頃の女性として、もう少し華美に着飾るべきよ」

反論する余地もなく、ただ「………はい」としか言いようがない。

そしてなされるがままメイクをされている私の横で、滋子様はねちっこく愚痴を溢している。


「本当にね、清さんと結婚する時、散々反対に合ったわよ。『私に似合わない』だの清さんの方が格差婚とまで言われたわ。
ま、紬お義姉様は『将来の社長夫人らしい』おしとやかで家柄の良いお嬢様と結婚して欲しかったみたいだけれども」

「その矛先が俺に向いてるわけか、あのクソババア」

「クソババアとは何ですか、清貴」

まぁさすがに義理の姉をクソババア呼ばわりされ…

「姑根性が甚だしいとでも言って差し上げなさい」

……結局クソババアと同義語である。
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