稲荷と神の縁結び
視線を清貴さんに戻すと……何と、清貴さんも同じ紙袋を持っている。
交互に紙袋を見るが、どう見ても同じもの。
「あの……えっと……………」
これは…どう説明すればいいのか。
うろたえて視線が泳ぐ。
「こはる、その…」
一歩私の方に踏み出してきた瞬間だ。
「清貴ー!」
びくっとなるほどの大きい声が飛んでくる。
圭ちゃんだ。
「…ったく、来るんなら連絡ぐらいしてくれ。
で、こは。和茂さんは帰った?」
「あぁ……うん、さっき帰った…………」
「まったく、釜谷さんも変な話振るよなぁ」
これは…圭ちゃんにこの話が耳に入った?
不意に清貴さんに視線を戻すと……やばい。
あの会社での、私を罵倒する時と同じ顔をしている。なぜだかすごく、身の危険を感じる。
「じゃ、ごめん。掃除の続きしてくるから!!」
私はすたこらと逃げるようにその場を離れ、木々が生い茂る林の方へ駆け抜ける。
後ろから二人が呼ぶ声が聞こえたが、聞こえないフリをした。
どうしよう。
どうしよう。
頭の中がぐちゃぐちゃと、色んな感情が涌き出てきては掻き乱される。
何を選べばいいのだろう。
それでもずっと脳裏にこびりついて離れないのは‐あの迫ってくる、清貴さんの顔だった。
交互に紙袋を見るが、どう見ても同じもの。
「あの……えっと……………」
これは…どう説明すればいいのか。
うろたえて視線が泳ぐ。
「こはる、その…」
一歩私の方に踏み出してきた瞬間だ。
「清貴ー!」
びくっとなるほどの大きい声が飛んでくる。
圭ちゃんだ。
「…ったく、来るんなら連絡ぐらいしてくれ。
で、こは。和茂さんは帰った?」
「あぁ……うん、さっき帰った…………」
「まったく、釜谷さんも変な話振るよなぁ」
これは…圭ちゃんにこの話が耳に入った?
不意に清貴さんに視線を戻すと……やばい。
あの会社での、私を罵倒する時と同じ顔をしている。なぜだかすごく、身の危険を感じる。
「じゃ、ごめん。掃除の続きしてくるから!!」
私はすたこらと逃げるようにその場を離れ、木々が生い茂る林の方へ駆け抜ける。
後ろから二人が呼ぶ声が聞こえたが、聞こえないフリをした。
どうしよう。
どうしよう。
頭の中がぐちゃぐちゃと、色んな感情が涌き出てきては掻き乱される。
何を選べばいいのだろう。
それでもずっと脳裏にこびりついて離れないのは‐あの迫ってくる、清貴さんの顔だった。