稲荷と神の縁結び

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眠れぬ夜を過ごして、気がつけば朝の四時半になっていた。遠くから足音が近付いてきて、居間の扉がゆっくりと開く。


「あれ?こはるちゃん………?」

「あ、夕湖ちゃん…おはよう………」

「ひょっとして……それ、全部やったの………?」

夕湖ちゃんが指差す先には‐宛名を書いた葉書がずらり。
これから御礼状を出す人の葉書の山だ。


「ああ、うん」

「あと、これも……?」

次に夕湖ちゃんが差したのは、帳簿。
年末にかけて止まっていた、我が神社の帳簿だ。


「うん、寝れなくて…どうせだし………」


正直、宛名書きも帳簿付も月末までにやればいい仕事だ。
この騒動で止まっていたとは言え、今やらなくても大丈夫な仕事ではある。


夕湖ちゃんはため息をつくと‐次の瞬間、雷を落としたように声を張り上げる。

「もう!無理しなくていいから!早く寝て!!」

そして強引に私の腕を掴んで、部屋まで連れていかれる。

いや、そう言われても寝れないんだけど……。
そう思いながらも夕湖ちゃんは部屋に押し込み、私に手際良く布団をかける。
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