稲荷と神の縁結び
抱かれている腕は力強くて‐それはこの人の気持ちそのものだと言うことに、ようやく気付いた。
「こはるの気持ち、聞かせて欲しい」
清貴さんはゆっくりと腕をほどくと、再び見つめ合う体勢になる。
清貴さんはしっかりと気持ちを伝えてくれたんだ。
だから……私もちゃんと言わなければいけない。
「えぇっと……正直、清貴さんと結婚とか……全く頭に無かったと言うか………考えたこともないと言うか……」
気付くと、清貴さんの顔かどんどんとひきつっていくのがわかる。
しまったこれじゃ…いかにも眼中にありません的な返答ではないか…。
「違うんです。住む世界が違うと思ってました。
清貴さんは社長の息子であり今は社長で、何不自由ない生活をしていて……かたや私は借金をようやく返済したばかりの、ど庶民の家庭です。あるのは歴史としがらみだけしかないんです。
そんな私と恋愛するメリットも、結婚するメリットもあるように見えますか?」
「こはるの気持ち、聞かせて欲しい」
清貴さんはゆっくりと腕をほどくと、再び見つめ合う体勢になる。
清貴さんはしっかりと気持ちを伝えてくれたんだ。
だから……私もちゃんと言わなければいけない。
「えぇっと……正直、清貴さんと結婚とか……全く頭に無かったと言うか………考えたこともないと言うか……」
気付くと、清貴さんの顔かどんどんとひきつっていくのがわかる。
しまったこれじゃ…いかにも眼中にありません的な返答ではないか…。
「違うんです。住む世界が違うと思ってました。
清貴さんは社長の息子であり今は社長で、何不自由ない生活をしていて……かたや私は借金をようやく返済したばかりの、ど庶民の家庭です。あるのは歴史としがらみだけしかないんです。
そんな私と恋愛するメリットも、結婚するメリットもあるように見えますか?」