稲荷と神の縁結び
「ちょっとお二人、いちゃつくのは他でやってくれない?」

ニヤニヤしながら私達を見ている圭ちゃん。
これは……見られていた、のか………。

「けけ、圭ちゃん違っ……」

「いやぁ違わないと思うけど」

「何か失礼だな……」

「どっちが失礼か。義弟(おとうと)君」

義弟。確かにまぁ私と結婚すれば圭ちゃんの義弟になるわけだが……あぁ、すっごく不満そうな顔をしてらっしゃるな………。


「それで、これからのスケジュールなんだけど」
圭ちゃんは気にしないという感じで、私達の前に座った。


「鳥居の解体がもうすぐ始まって…鳥居の再建が始まるのは、多分三月か四月になると思う。
だから式あげるのなら、その間にして欲しいんだけど」

はて…式って何の………って結婚式か!!

いやちょっと待て。三月か四月って……もうすぐそこ!展開が早い!

「再建終わる見通しはまだだけど……再来年の例祭で、色々とその辺を兼ねようと思っている。丸一年は準備に充てる予定だから」

まぁ確かに色々他の修繕やらもやりたいし、立て替え後の行事は確かに時間を取りたいのは確かだろうけれど……。


「というわけで、こは、清貴。子供作るんなら今年中に仕込んどいて」
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