稲荷と神の縁結び
えっと…何を仕込むって?
子供って…ああ、そうか子供か。子供………
「ちょっ!!えええっ!!!」
勢い良く立ち上がると、圭ちゃんの襟元を掴んでゆする。
いや、そもそもそんな…そういうことすらできるかわからないのに!!
「いやだって…来年中には産まれてくれないと、こはは戦力外になっちゃうから正直困る。
まぁ、一歳になってれば多少は大丈夫であろうという俺らの見立て」
圭ちゃんはあっけらかんと言っている。
いやちょっと圭ちゃん……妹に生々しい話をし過ぎじゃないですか?
いやちょっともうちょっと……何か……何か……。
「それとも……再来年まで子無しでいく?そしたら不本意だけどこはに石女疑惑が…」
いや石女っていつの時代だ!
そう思うが‐あの口うるさいうちの年寄り組やらめんどくさい人達の顔が浮かんだ。
あぁ……影で絶対言うなぁ。あの人達は。
絶対噂になるなこれは……
「か、考えておきます………」
一気に力が抜けて‐掴んでいた襟が手から離れた。
式は四月までに挙げて、尚且つ今年中には子供を作れと。
何と言うか…一気に事が進みすぎではないか。頭がパンクしそうだ。
それは清貴さんも同じらしく、石化したように無表情で固まっている。