神様辞めます!~転生女神は平凡を望む~
今日もまた、眩しいくらいの完璧な王子様の微笑みで出迎えられる。
「ごきげんよう、サフル王子。久しぶりのお誘い嬉しく思います」
私も、今の人生で培われた令嬢スマイルで応える。
こんな感じで自身を上手くみせることばっかりの関わり方でいいのだろうか……。
ここにきて悩んでしまう。
マリッジブルーってこんな感じなのかもしれないなとフッと思う。
前の人生はマリッジブルーとか関係なく、あっという間に連れ去られたら冥府の王の伴侶にされていたものね。
ついつい、比較してしまうのは神界での結婚生活なのだがアレは特殊すぎる……。
比較してはいけないだろう……。
「今日は足を運んでくれてありがとう。この景色を貴方に見せたくて」
そう言って離宮に着いたあとに案内されたのは、庭園を綺麗に覆う淡いブルーの花の絨毯。
小高い丘から広がる光景は、圧巻の景色で私はその花に見入る。
「とても綺麗ね……」
見つめつつ呟けば、サフル王子は今までみたこともないほどに、嬉しそうな満面の笑みを浮かべて私に振り返ると言った。
「ネモフィラって花なんだが、こう一面に咲くとまるで絨毯のようで美しいんだ。この景色が一番好きで、だからペセルにも見せたかった」