神様辞めます!~転生女神は平凡を望む~

その笑顔は、どこまでも年相応で、そして飾ったところのない自然なものだった。
だからこそ、本当にこの景色がお気に入りなんだろうことが理解出来る。

「招待いただいて、ありがとうございます。この景色は圧巻です。私も好きになりました」

嘘偽りなく、この景色は見なければ勿体ないほどだと感じる。
「ペセルにも気に入ってもらえて良かった。このお気に入りの景色を君にも見せたかった。去年から考えていたんだ」

柔らかく微笑むサフル王子は、私にその腕を伸ばし風にそよぐ髪を撫でて整えてくれた。

「ペセル、最近なにか考えてない?」
いきなり聞かれたことに、少し驚きつつも私は笑顔でその質問に無難な返事をする。

「いいえ。準備が忙しくなってきたなとは思いますが、特段ありませんよ」
私の返事にサフル王子は先程までの笑顔が曇り、私に今までとは違う様子を見せる。

「ペセル、私はずっと見てきたんだ。アマンダと一緒の貴方を……。だから、今が外向きの令嬢としての顔だと分かっている」
そんな指摘、今まで受けなかったから気づかなかったし、気づかれてるとも思わなかった。
確かに、アマンダ王女王女と一緒の時はオフで会う時は自然体だった。
それは互いに心を許していたから……。
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