センセイとシアワセな時間
委員長をやっていたわたしは放課後遅くまで残ることがよくあった。
もうすぐテストがある。
自分で言うのは気が引けるが、わたしの成績はとてもいい。
進学校と言われる高校にも難なく入れそうな成績だった。
でも、気分屋でこれまでも教科担任のセンセイ達を困らせてきた。
モダセンセイには「勉強したらできるのにな。勿体ない。」って何回も言われたし、
サナセンセイには「宿題くらいやりなさいよ。テストできるから成績は下げられないけど。」と文句を言われた。
そんなわたしは今勉強のやる気がない。
コウセンセイが廊下を通りかかって「何してるの?」と聞いてきた。
委員会の仕事をしていることを伝えると、
「勉強もしろよ」と言われた。
「嫌です」私は即答した。
理由を聞かれたが、特に理由はない。
コウセンセイは音楽の先生だからわたしの勉強事情についてよく知らない。
少しだけ、わたしの事を知ってくれたことが嬉しかった。
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