キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
「世の中には知らないほうがいいこともあるんだよ、宙斗くん」

「は?」

「大丈夫、空耳だよ」

 彼氏が週替わりなんだよ、なんて話したら宙斗くんの女嫌いが悪化するもん! だから絶対に知られてはならない、私が墓場までもっていこう。

「宙斗くんには、口が裂けても言えない」

「だから、なんの話だよ」

「よし、今日は健全に楽しもうね!」

「……はぁ?」

 私が宙斗くんを守らないと!

 意気込む私を訝しげに見ながら、宙斗くんは首をかしげていた。

 こうしてひと悶着あった私たちは、電車でホテルへと向かう。美代の月曜日……の彼氏はホテルで待っているらしい。私は電車でも宙斗くんの隣に座ることができ、目的地に着くまでに十分プチ旅行を満喫していた。

 電車に揺られたあと、ホテル行きのバスに乗り換えて約一時間半。ようやくたどり着いたのは、マリンブルーの海を前にした高級そうなホテルだった。

「わぁー……なんか、卓球場はわかるけど、スパ施設とかあるよ」

 私はロビーの掲示板に貼られていた館内案内を見て、気後れしそうになっていた。

「待ってたよ、美代」

「クリス、会いたかったわ」

 そんな会話が聞こえて、私は遠心力で首がもぎれそうになるほど勢いよく振り向く。

    

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