キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
「……教師ですか。生徒思いなのは感心しますが、過干渉ではありませんか」

 キッと鋭い視線を先生に向けるクリスさん。一方、先生は後頭部に当てて「ははは」と笑っている。

「これは耳が痛い話です。ついのめり込んでしまって、よく教頭からもお叱りを受けてるんです」

 東堂先生って、まさか鈍い?

 あきらかに相手が嫉妬していることに、気づいていないみたいだ。

「なんとっ、そこまで注意を受けていながら、それでも諦められないということですか!」

 驚愕の表情を浮かべるクリスさんは、あきらかに間違った解釈をしながら呟いている。会話を聞いていた宙斗くんは「なぁ」と、私に声をかけてきた。

「あいつら、なんか話がかみ合ってなくないか?」

「うん、私もそう思う」

 東堂先生の言うのめり込むは、熱血すぎることを言ってるんだろう。でも、クリスさんは先生が見境なく生徒に手を出す最低教師っていう印象になってるんだろうな。

「ともかく宮原」

 先生は普段、生徒に言い聞かせるように美代を呼ぶ。先生の腕に抱き着いたままの美代は「はい」と返事をした。

「あまり羽目を外しすぎるなよ? お前はキレイだからな、変な男に絡まれることもあるだろう。そのときは俺に声をかけるんだ」

    

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