偽のモテ期にご注意を

「お忙しいのに、態々来ていただいてありがとうございます」

「本当は迷惑だったんじゃないのかしら?」

「とんでもない。心から助かったと思っています」

通されたのは高層階の会議室で、重厚な机とどの椅子も革張りの立派な椅子が置かれている。

前野の表情は落ち着いていて、柔和な顔なので、本心が読み取れない。

「昨日夕方外出されてからの社長は、こう言っては何ですが、使い物にならない位落ち込んでいて・・」

「ふぅん」

探るように前野を見るが、嘘をついているようには見えない。

『本当かしら』

「失礼します。」

コンコンコン 扉をノックして女性がコーヒーをトレイに乗せて運んできた。

優雅な仕草で二人の前に置いて、静に退室する様を見るとはなしに見ていた。

「もうすぐ終わりますので、コーヒーでも飲みながらお待ち下さい」
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