偽のモテ期にご注意を

その声に振り向き、置かれた珈琲を手に取る。

上質の豆を使っているのだろう、とてもいい香りが漂ってきて、気持ちが落ち着いた。

「前野さんは、置鮎さんから今回の件聞いているのかしら?」

「えぇ細かくは聞いておりませんが、大体は聞いております」

「そう」

コーヒーを飲みながら前野を観察してみる。

均整のとれた体はガッシリとしていて、顔立ちも精悍で、秘書と言うよりはSPのように見える。

『置鮎社長とは正反対の容姿ね。でも、脳筋って感じじゃなくて文武両道って感じ』

前野は出て行く様子も無く、恵と一緒に優雅にコーヒーを飲んでいる。

『昨日ねぇさんの所に来たって事は、まだ何かしら未練は有るのよね?でも婚約者は居る・・・
体の関係は続けたいって事?態々?』

置鮎のステータスを考えれば、セフレ等幾らでも替えがきく筈だ。

それを敢えて圭奈と続けたいと思うのなら、何かしらの理由が有る筈だが、それが分からない。
< 131 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop